7月19日(日)に、日本財団助成事業の2026年度第1回シーティングセミナー及び実践研修(体験会)を開催しました。昨年度は東京・関東を中心に開催しましたが、今年度は他の地域での開催を実現。その第一弾が和歌山市になりました。和歌山県で障害児から高齢者まで訪問看護・訪問リハビリなど素晴らしい活動をされている一般社団法人 幹の丸山代表と、障害児者のICT利活用で素晴らしい活躍をされている作業療法士の小林さんのご依頼・ご協力をいただき、開催することができました。

 三連休の中日にもかかわらず、障害児者とそのご家族、PT、OT、ST、看護師、教師、施設関係者など、大勢の方々にご参加いただきました。午前10時からは、「障害児者のための二次障害防止と残存機能発揮のための世界標準のシーティングの活用」をテーマに、デモンストレーションを交えながら2時間講演しました。今回は2回目の参加者や理学療法士・作業療法士が多かったため、技術的な内容についても踏み込んでお話ししました。

また、成人障害者や高齢者に関わる方もいらしたため、昼休憩後半には希望者に対して褥瘡予防について追加講習を実施。さらに、午後の実践研修(体験会)の終了後には、寝る時の姿勢ケアであるポジショニングの専門家であり、当協会理事・理学療法士の伊藤亮子さんによるミニ講演も実施しました。せっかく和歌山まで来たので、できる限り多くの情報を持ち帰っていただきたいという思いからです。皆さん本当に熱心に聴いてくださり、「目から鱗だった」、「これまで学んだシーティングは何だったんだと思うほど多くのことを学んだ」、「今回学んだ国際標準のシーティングをさらに学び、実践できるようになりたい」、「すぐに実践したい障害児がいる」など、多くの嬉しい感想をたくさんいただき、私たちも感激でした。
 

午後1時からはシーティング実践研修(体験会)を開催しました。希望者に姿勢の評価を提供して、車椅子にシーティング製品を設定-調整して姿勢の改善を体験いただくシーティング実践研修(体験会)。参加者の皆さんには見学いただき、希望するPT, OTには体験会のサポートをしていただき実践研修を提供しました。

 シーティング体験者、当初は2名を予定していましたが、希望者は5名に。理事で理学療法士の伊藤亮子さんの協力を得て、何とか全員に対応することができました。バギーを使っていた障害児3名は、いずれも脚が外転してずり落ちた姿勢。ベルトで括り付けられているような子たちでした。シーティング後は皆さん、骨盤を立てた良い姿勢で座ることができ、見違えるような姿勢にご家族も感動されていました。股関節の可動性に制限があってずり落ち座りの少年にも、できる限り股関節屈曲制限への対応を提供。以前よりかなり良い姿勢で座ることができました。

 実践研修後には、全国でポジショニング講習を行っている当協会理事・伊藤亮子PTによる、寝る時の姿勢ケア(ポジショニング)のミニ講演も実施。最後まで残って参加してくださった皆さんは、多くの学びを得られたと言ってくださって嬉しかったです。

 その時間、代表の山崎は、「どうしても相談に乗ってほしい」という、筋緊張・拘縮が非常に強い青年のお母さんのご相談に対応しました。使用中の座位保持椅子は、何度修理や改造をしても姿勢は改善せず、骨盤の保持が不十分で、非常に強い筋緊張への対応もされていませんでした。本来であれば、シーティング評価から行った上で対応したいケースでしたが、どうしても今回体験したいというご希望があったため、体験会で使用した車椅子を調整してシーティング体験を提供しました。

 我々が通常提供しているシーティングと比べると、理想にはほど遠いシーティングでしたが、それでもお母さんも担当OTも姿勢の改善に驚き、とても感動してくださいました。「こんなに姿勢が変わるとは思わなかった」と喜ばれ、「何とかこのような姿勢がとれる車椅子とシーティングを導入したい」と話してくださいました。ぜひ実現できるよう、引き続き協力していきたいと思います。

 この青年の担当OTさんをはじめ、参加された理学療法士、作業療法士の皆さんが、「国際標準のシーティングを実践できるようになりたい」、「和歌山県の障害児者の姿勢を改善したい」、「元気に毎日活動できるようにしたい」と熱い思いを伝えてくださり、とても嬉しく思いました。和歌山県で国際標準のシーティングがさらに広がるよう、今後も協力していきたいと思います。